あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領

              

最近来日したことでも話題になった元ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏を取材した本。ムヒカ氏の国連でのスピーチが有名になったことで彼の名言集などが出版されるようになったが、本書はそうしたものとは異なる。
ムヒカ氏が大統領になる以前から取材がされており、ムヒカ氏のこれまでの経歴や人となり、政治上での失敗にも触れている。なかなか読み応えのある本だ。

正直南米情勢に疎く、政治上の駆け引きなどは背景が分からず楽しめなかったが、ムヒカ氏の思想は大方理解できた。彼は若い頃ゲリラ活動をしていて数回投獄された経験を持ち、波乱万丈の人生を送っているように見えるが、本来は自然と自由を愛する哲学者なのだ。似た経歴を持つ南アフリカネルソン・マンデラがそうであるように、彼も若い頃からの読書と思索の末に自らの思想を固めたようだ。

彼はイギリスのチャーチルローザ・ルクセンブルクに感銘を受けたらしい。資本主義とマルクス主義で、思想がまるで正反対の二人のように見えるが、どのような人間からも良いところを学び吸収していく柔軟性がムヒカにはあったようだ。

また、彼は常に「自由」を最上のものと考えている。金や地位、名誉といったものに全く執着せず、縛られない身軽な人生を理想としている。死に対しても静かに受け容れる姿勢を持っている。やはり大統領というより、哲学者や詩人のようだ。

質素に暮らし、何にも執着しない。だから彼は縛られず誰に対しても堂々と本音を言い、信念に従って行動することができたのだろう。特に今、世界の多くの政治家がムヒカとは間逆だからこそ、異端児として世界中の注目を集めているのかもしれない。

ムヒカの強みは庶民感情をよく理解しており、多くの国民が心の底で望んでいるリーダー像を知っていることにある。話し方もうまい。それでいてよく勉強していて知性もある。子供のように純粋なところもあるが、自分の考えにこだわらない柔軟性もある。

並み居る大国を前にして、堂々と現代社会の構造的問題点を指摘し、自ら模範となって西洋至上社会、資本主義、消費社会への反対を表明する有言実行のリーダー。まるでキューバチェ・ゲバラを見ているようだ。世界でムヒカが人気を集めたのもうなずける。

今後も色んな場面で活躍すると予想されるので、読んでない人はぜひ読んでみて欲しい。( ´_つ`)←ムヒカのもり