あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

君主論

             

有名なフィレンツェマキャベリが中世ヨーロッパの国家の状況を鋭く観察し、「君主とはどうあるべきか」について論じた書籍である。マキャベリといえば君主論、というくらい有名で私も知っていたが、肝心の内容は知らなかった。以下は要約である。

 

・君主は、優柔不断であってはならない。
・大衆は結果しか見ない。途中で何があったとしても、結果を出せば全て許される。
・大事業はけちな人物によって成し遂げられている。
・信義を守ることが自分にとって不利益になるならば、その信義は守らなくて良い。なぜならば、人間は邪悪なものであり、あなたへの約束を常に守るとは限らないからだ。

・君主としてのよい気質(信義・人情味・誠実・慈悲深さ)を備えていることは重要であり、周囲にはそう思わせなければならない。しかし、国を維持するためには、事態の変化を見て、時には断固として悪に変わる変幻自在さも必要である。公明正大で誠実なだけでは生き延びることはできないし、大事を為すことはできない。

 

特に最後の方にマキャベリの現実主義的なところが見てとれる。今のような平和な時代に生きていては想像が難しいが、昨日の味方は今日の敵、約束さえ信用できぬという激動の時代では、上に立つ者は非情さも求められたのだろう。現代にそぐわない、批判されそうな考え方であるが、混沌とした乱世の中を生き抜き、国を維持していくためにはこのような強さが必要だったのだろう。

君主制と議院内閣制では一様には言えないが、政治家は断固として結果にこだわるべしというのはその通りだと思う。確かに、議院内閣制は君主制以上に結果を出すのが難しいのも事実だ。しかし、国民の代表に選ばれたリーダーならば、反対の声があろうとも思いつく限りの政策を断固として実行し、国民全体の利益を追うべきだろう。良い結果を出せば、多少強引だと言われたとしても、歴史には評価されるはずだ。まずいのは、色々な意見を聞きすぎて、何もやりたいことができずに終わってしまうことだ。マキャベリ的には、最もダメなリーダー像だろう。

いずれにしろ、政治やリーダーシップを考える際に本書は役に立つと思う。