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あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

フェニキア人

歴史 読書

             

古代フェニキア人の植民・商業・文化・風習に関する研究をまとめた書籍である。フェニキア人についてはまだ不明な点も多いということだが、それでも過去の研究によって彼らの文明の実態がかなり明らかにされているようだ。

フェニキア人は地中海沿岸の港に都市を作り、海洋国家を作り上げた。造船技術も低い時代から地中海を中心に航海と貿易を行い、積極的に植民活動を行った。他の民族よりも、航海によるフロンティア開拓や経済活動に熱心なたくましい民族であったのだろう。ちなみに、今のアルファベットの起源もフェニキア文字だそうだ。彼らの活動の範囲は広く、アフリカにまで及んでいる。フェニキア人が作った国、カルタゴのハンノという航海士は、紀元前450年頃にジブラルタル海峡を抜け大西洋、アフリカ西岸に到達していたようだ。一説には、カメルーンまで到達していたのではないかというものまである。ポルトガル人によるアフリカ航海より1800年も前のことだ。当時の航海技術と造船技術を考えれば、恐るべき偉業である。

私は航海や開拓、冒険といった響きが無性に好きだ。閉ざされた世界での競争に勝ち抜いた人たちよりも、未知の世界に挑み、ゼロの状態からフロンティアを開拓していった人たちに憧れを感じる。何もないところに定住し、家を建て、市場を作り、港を作り、小さな街を築いた人たち。言葉も通じない未開の地に踏み込み、まだ誰も知らない商品を手に入れ、それを母国に持ち込んだ商人たち。これほどワクワクすることがあるだろうか。もちろん、かなりのリスクもあったわけだが、それを越えてなお海に活路を求めたフェニキア人を大いに尊敬する。

彼らは世界をどのように捉えていたのだろうか。そして、航海や開拓をどのように捉えていたのかは大変気になるところである。もう記録がほとんど残っていないのが残念だが、この書籍は少ない資料や調査を元によく分析していると思う。フェニキア人や古代史に興味のある人にはお勧めである。