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あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

              

グレイトフル・デッドという古いアメリカのヒッピー・バンドのユニークな取り組みから、マーケティングに役立つ考え方を学ぼうという趣旨の本である。糸井重里さんが日本語版の製作に関わっているということを知って興味を持った。

グレイトフル・デッドというバンドは知らなかったが、昔から常識にとらわれないユニークな活動を行っており、それが彼らを有名にしてきたようだ。実際に彼らが意識してマーケティングを行っていたのかは謎だが、彼らの数々の取り組みは確かに先進的でユニークだし、今日のソーシャル・メディア時代に通じるものもある

いい例が、ファンにライブの録音を奨励していたという点だ。今でこそライブの音源や映像も出回るようになっているが、当時はレコードを買うか、ライブに行った人しか味わえないものだった(当然録音は禁止)。それをタダで許可した上、家族や友人に広めることも規制していなかった。一見すると利益に反するようにも見えるが、そこから口コミが広まり、ファンを増やしていったとのことだった。今日、既存業界の慣習から外れてファンを獲得しているアーティストやクリエーター達に通じるものがある。

そもそも、昔は自分の作品を多くの人に見てもらう場が少なかった。雑誌に載るか、テレビに出るなどしなければブレイクすることはなかった。地方は特に不利だったはずだ。しかし、今は自分の作った音楽を無料配信で宣伝して、バイラル的にファンを獲得することができる。まさにグレイトフル・デッドがやっていたことをもっと簡単に行えるようになった。個人の活躍チャンスは大きく広がっている

それ以外にも、グレイトフル・デッドは枠にとらわれない多くのユニークな取り組みをしている。サラリーマンをしていると感じるが、1つの業界の慣習や方法論に染まってしまうと、固定観念から抜け出せなくなる。それが非効率的であっても、何となく受容れてしまう。そして新しい価値観や考え方に対して、過去に前例が無いとか、リスクが高い、難しいという「意味の無い分析」を無意識にするようになる。しかし、実はそれが落とし穴だ。

最近で言えば、Uberのような配車サービスは、本来タクシー業界から出てきてもおかしくないはずだし、Airbnbのようなシェアビジネスは不動産業界が主導しても不思議ではなかったはずだ。しかし、これらの会社は全く関係のない所から登場して、業界の慣習を大きく変えている。純粋な業界知識や過去の業務経験よりも、固定観念に捕らわれず自由に思考する力の方が、実は大事かもしれないグレイトフル・デッドも、我々の常識や考え方がいかに凝り固まっているかを教えてくれる。

もちろん、常識外れの行動がただの常識外れで終わることもしばしばだ。だが、そういう時は仕切り直せばいいだけである。グレイトフル・デッドにも失敗はあったが、以降もユニークな取り組みを止めることはなかった。月並みだが、やはり何事も続けることが大事なのだと感じる。