あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

マゼラン

             

マゼランと言えば世界一周。世界一周と言えばマゼラン

歴史の教科書の中にも出てくるし、知らない人はいないだろう。しかし、世界一周は観光旅行の優雅な旅ではなく、死地に赴くようなものだった。

コロンブスにしろバスコ・ダ・ガマにしろ、大航海時代の航海士達は本当に命知らずで、マゼランもその一人である。マゼランの目的は、ヨーロッパから西回りでアジアに到達することだった。これは、世界の全体図が分かっている今なら可能だと言える。しかし、当時はアメリカ大陸のことすらよく分かっていなかった。アメリカ大陸を横断してアジアに到達できることに確証はなく、全くの「賭け」だったと言っていい。

しかも当時の航海は過酷だった。水夫の反乱、遭難、病気、飢餓などの危険が常に絶えず、戦場さながらの状況だった。大海原では補給もできないため、貴重な食料もすぐ腐ってしまったりしたそうだ。当時の船乗り達の食事は、現代人の味覚ではとても食べられたものではないらしい。船内の衛生状態も最悪だったようである

マゼラン艦隊はそのどれにも遭遇している。反乱、遭難、食料不足による栄養失調、病気。特に太平洋を航海中の食料不足については詳細な記録が残されている。彼らは腐った水を飲み、ネズミ、オガクズさえ口にしていたという。何しろ彼らは約110日間も、何もない太平洋をほとんど飲まず食わずで航海した。地図のある今なら希望が持てるが、何も分からなかった当時、彼らはどんな心境だったのだろう。

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そんな場面に何度も遭遇しながら、何故マゼランは航海を止めなかったのか。「大きなことを成し遂げたい」という強い思いがあったのだろうか。仮にそうだとしたら、その思いは普通ではない何か狂信的なものだったに違いない。そうでなければ途中で引き返していたはずだ。(実際、途中で勝手に帰国した仲間もいた)

マゼラン艦隊はフィリピンに到達したが、マゼランはそこで原住民に殺され、故郷への帰国は叶わなかった。残りの人間達が何とかヨーロッパに帰ってきたが、出発時270人いた船員が、3年後の帰国時は18人で1割も残らなかったという。彼ら18人が歴史上初の世界一周達成者とされている

僕はマゼランをはじめ、大航海時代を担った船乗り達が大好きである。言葉でうまく表現できないが「自分の命をいとも簡単に投げ捨てていく姿」に憧れる。未知への航海という危険極まりないギャンブルに出て行った彼らを尊敬する。実際、大航海に参加したのは地位の低いならず者や命知らずばかりだったらしいが、彼らのような「はみ出し者」だからこそ達成できたのだろう。

命を投げ捨てる覚悟を持った者達こそ実は最強なのだ