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あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

戦国策

            

中国の春秋戦国時代に活躍した説客達(縦横家とも言う)のエピソードを集めた一冊である。高校世界史の教科書にも登場する蘇秦張儀が有名であるが、それ以外にも優秀な説客は大勢いた。

彼らは各国を訪問して君主に面会を求め、その国の利益になるイデアを披露した。それは自分の人生を賭けた面接試験のようなものだった。その中で君主に気に入られた者は、大いに厚遇され高い地位を得た。

老いも若いも関係なく、知恵イデアを持っているかどうかだった。中には年老いてから宰相に取り立てられた説客もいる。先の読めない混迷の世、食うか食われるかの時代の中で、生き抜くために彼らの知恵イデアが求められていたのである。

学校など当然無いので、彼らはそれぞれ尊敬する師に学んだり、書物を読んだりして独学してきた人たちばかりだ。変に型にはまっていないので、時に奇策や奇抜な発想が出てきたりするのがとても面白い。

彼らは君主達に物事の損得を説明して説得するのだが、その際に必ずユニークな例え話を用いている。仕事のプレゼンでも、難解な専門用語や細かいデータよりも、例え話と結びつけた方が相手にイメージが伝わることが多い。この説客達のエピソードはそれを教えてくれる。

弁舌で世を渡り歩いてきた説客達も凄いが、彼らの意見を聞き入れ、臣下として取り立てた君主達もまた賢明だったと言えるだろう。どんな優れた意見も採用されなければ意味がない。説客の中には中々意見が採用されずに諸国を渡り歩き、高齢になって初めて芽を出した者もいる。

現代でも能力のある人がより高い評価や待遇を求めて転職することがあるが、それは決して間違っていないことを教えてくれる。そうしたことは昔から行われていたことだったのだ。

一部説客ではない将軍のエピソードも載っている。人間関係の本質に迫るものや、現代に通じるエピソードも多く、読む価値は十分ある。