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あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

十五少年漂流記

読書

             

フランスの作家ジュール・ヴェルヌが書いたあまりにも有名な冒険小説。

小中学生に勧めたい小説を挙げるとしたら、僕は真っ先にこれを挙げるだろう。この作品には「少年らしさ」の全てが凝縮されていると言っていい。内容としてはデフォーの『ロビンソン・クルーソー』に似ているが、こちらは登場人物の大半が子供であることが特徴だ。

この作品の面白い所はたくさんあるが、個人的には以下の点で評価したい。

①登場人物の個性

冷静で博識なゴードン、正義漢の強いブリアン、高慢だが勇気のあるドニファンなど、十五人の少年それぞれに違った個性があり、それが物語を彩っている。彼らが自分たち能力を発揮して集団生活を支え、困難に立ち向かっていく様子に強く惹きつけられる。こうした登場人物を生み出したのが、当時60歳を過ぎた老人ヴェルヌであったことは驚くべき事実だ。

②少年同士の友情

10代の少年にはケンカがつきものである。彼らも何度も対立し、反目し合う。しかし、大きな困難を乗り越える過程でお互いを認め合い、友情を深めていく。展開としてはありきたりかもしれないが、本当の友情とは困難な状況においてこそ育まれていくものだと教えてくれる。

③前向きな精神性

物語中一貫しているのは少年たちが終始前向きであることだ。彼らは決して悲観したり投げやりになることがない。困難を前にしても臆することなく、開拓者精神を発揮して行動する。少年たちはイギリス人、フランス人、アメリカ人で構成されているが、当時世界を支配していた国々の理想的な精神性が投影されている。

④人類発展の縮図

彼らはまず住処を見つけて定住し、必要な食料や燃料を十分に確保した。次いで様々な工夫をこらして生活の向上を図った。一方で選挙を経て組織のリーダーを選出し、やがては教育にも力を入れた。これはこれまで人類が辿って来た歴史そのものである。ロビンソン・クルーソーもそうだが、彼らの行動は人類発展の歴史を凝縮している。

⑤想像力を刺激する描写

ジュール・ヴェルヌは『海底二万里』『八十日間世界一周』などの作品でも有名だが、特有なのはその情景描写である。彼はどうして行ったこともない島の植物や動物、自然環境について鮮明に描写できたのだろうか。元々物理学や生物学などの自然科学の本を読み漁っていたということだが、それにしても見事という他ない。読み進めているだけで、十五人の少年と島の様子がはっきりと脳裏に浮かんでくる。

この素晴らしい物語の最後をヴェルヌはこのように締めくくっている。

全ての子供たちによく知っていて欲しいのだ。秩序と熱意と勇気があれば、たとえどんなに危険な状況でも、切り抜けられないものはない、ということを。

 

ちなみに、大人が読むとまた違った感動が得られる。