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あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

入門経済思想史~世俗の思想家たち~

             

大人になってから、経済を学びたいと思った人は多いのではないだろうか。

経済関連のニュースを理解できるようになりたいとか、資本主義、社会主義共産主義のような、半ばイメージだけで語られている言葉について、本質を理解したいという思いを持っている人もいると思う。

ただ、残念なことに書店に並ぶ「経済」と名の付く本は大抵つまらない。やたら難しかったり、逆に簡略化しすぎていたりして、経済学がこれまで辿ってきた道のりを分かりやすく俯瞰できるような良書は少ない。

数少ない例外が本書だ。本書を読み通せば、間違いなく経済学のこれまでの歴史を見通せる。少なくともアダム・スミスリカードマルクスケインズなどの名前を出されても、うろたえることはなくなる。彼らの思想と業績が、必要十分な文章量で記されているからだ。数式などは登場しないので、分からない言葉を調べながら読めば誰でも読み通せる。   

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            アダム・スミス          デイヴィッド・リカード

 

何度か書いているが、私が経済学者の中で一番尊敬しているのはアダム・スミスである。彼の功績は、資本主義による社会発展の法則を体系化したことにある。彼は、各人がそれぞれの利己心(欲望)に従って行動することが、最終的に社会全体にとっての利益になるという革命的な思想を打ち出した。そして、スミスの予測通りに資本主義社会は成功を収めてきた。

天才スミスが想定していなかったのは労働者、資本家、地主層の対立だ。つまり、資本主義経済の発展の中で「誰かが取りすぎている」「誰かが損をしている」という問題が生じるようになった。リカードは暴利をむさぼる地主層をやり玉にあげ、労働者や資本家が豊かになれない原因と説明した。

 

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       カール・マルクス       ジョン・メイナード・ケインズ

                             

マルクスリカードよりさらに悲惨な未来を予言した。彼は資本主義を研究することにより、労働者が常に資本家によって搾取されること、そして最終的に資本主義が自滅することを証明しようとした。マルクスの予言は恐ろしいほどに当たっていた。

ケインズ世界恐慌がきっかけとなった大量の失業者により破綻しかけた資本主義社会を、公共投資による需要喚起という革命的理論によって救出し、資本主義社会を再び繁栄のレールに導いた。

 

詳しくは本書を読んで欲しいが、今騒がれているTPPの問題やブラック企業問題、貧富の格差問題なども、実は昔から論争されてきたことだったと分かる。天才たちはとっくの昔に気付いていたのである。

そして、天才たちは各々こうした問題に対する解決策も示している。詳しい内容については本書以外にも当たる必要があるが、彼らの残した思想を知ることは、未来に向けても大変勉強になると思う。

                          ※写真はWikipediaより引用