あるまじろの読書日記

「なぜ、本を読むんだい?」「そこに本があるからさ!」興味のあるテーマは歴史とサイエンス。アラサー。関東在住。文章力が低く時折エラそうな書き方になりますが、どうかご容赦ください。( ̄ー ̄;

昭和史

       

中学校や高校で近現代史をちゃんと教わった記憶がないのは自分だけだろうか。

カリキュラムの都合なのか、中学校の歴史の授業は現代に近づくほどスピードアップし、最後は尻切れトンボのように終わっていった。したがって満州事変ニ・ニ六事件安保闘争など重要事件のあらましをじっくり習った覚えがない。(僕がぼーっとしていただけの可能性も否定できないが)

高校の頃は世界史選択だったので、日本史はそこまで深くやらなかった。よって、僕はほとんど近現代史を知らないまま大人になってしまった。

日本の近現代史はとにかく暗いイメージが強い(特に昭和の前半)。明治維新後に急速に工業化して大国となった日本が少しずつ調子に乗り、対外戦争から滅亡への道を進んでいく過程を辿ることになるからだ。

NHKスペシャル『ドキュメント太平洋戦争シリーズ』は通して視聴したことがあるが、やはり気分は暗くなった。玉砕や神風特攻といった事実を直視するのは辛いものがある。

実際は近現代史は入試でそこまで細かく出題されるわけではないので、知らなくてもどうにかなるというのが実際のところだ。今の中高生を見ていても近現代史はみんな苦手にしているが、それでも入試は乗り切れる。そう、入試だけならば。

しかし大人になって感じるのは、やはり過去は学んで活かすものだということである。現在の問題の原因は過去にあり、未来へのヒントも過去に隠されている。歴史を学ぶことの意義はそこにある。過去に学ばなければ、何度でも同じ間違いを繰り返すことになる。それに、自国の歴史をよく知らないのはそれだけで恥ずかしいものだ。

歴史を学ぶことは、あらゆる人の役に立つ。特に日本を惨めな敗戦に至らしめた指導者の判断ミス、軍人やマスコミの暴走、行き過ぎた精神至上主義の背景を考えることは、組織のリーダーならば必ず収穫になると思う。

今でも旧日本の上層部と同じ失敗をしている会社はないだろうか。希望的観測と精神力頼みの危うい運営をしているリーダーはないだろうか。つまらないプライドのために引き際を見誤っていないだろうか。歴史は必ず教訓を与えてくれる。

著者の半藤一利さんは、長すぎず短すぎず、堅苦しい感じにならないように考えて執筆されたようだ。また、あまり偏った視点にならないように配慮された様子も伺える。上巻の最後に日本の失敗の本質について述べられているが、このまとめ方は見事という他ない。長年真摯に歴史を研究してきた人にしか書けないと思う内容だ。

昭和史を勉強するのにこれほど適切な本はないと思う。

素晴らしいので是非一度読んで欲しい。